「基礎」と「基本」の違いを知る

当社では、教材の販売にあたって教室の責任者向けの勉強会を開いています。内容は、幼児、小学生指導に当たっての内容、方法をお伝えしています。

その中で一番力を入れてお伝えしているのが、「基礎」と「基本」の話です。

特に、学科学習が始まる小学生にとって、教科学習の「基礎」とは何か、「基本」とは何かを知ることはとても大切です。その話をする目的には、計算教室との違いを明確にすることもあります。

「基礎」と「基本」の違いを分かりやすく説明するためにスポーツを例にお話しします。スポーツでは「基礎」は体力であり柔軟性です。すべてのスポーツに必要な要素です。「基本」は競技種目によって違う「型」です。陸上でも短距離には短距離の、長距離には長距離の型があります。また、球技でもバレーボールにはバレーボールの型、野球には野球の型があります。型が違うとほとんど役に立ちません。

「基礎」と「基本」は明らかに内容と質が違うのです。「基礎」がいかに重要かお分かりになると思います。

おなじことが、さんすう学習でも言えるのです。さんすう教科の始まる小学1年生にとっての「基礎」は、さんすうの「ことば」、かずの概念の学習です。

大きい、小さい、多い、少ない、ながい、みじかい、ひろい、せまい、・・・・このようなさんすうことばが、1年生で200以上あります。

実際、今の教科書からもわかりますが、今の教科書の流れの大もと、昭和10年の「緑表紙」の教科書を見るとよくわかります。1年生の上巻ではほとんど文字も数字もありません。

生活の中にある、さんすうの「ことば」を学ぶ内容になっているのです。最低限の基礎の学習が終了してはじめて、計算の学習に入っています。

その流れは、現在も続いています。

なぜか?

いきなり計算学習から入っていくと数の概念が育ちにくいのです。よく、計算はできるけれど文章題になると手が止まってしまう、ということを招くのです。

この点について、よく国語力不足ということをいう方がいますが、さんすうの数の概念と国語力は違います。

充分かずの概念を身につけたあと、計算学習に入っていく必要があるのはそういう理由なのです。

この基礎の学習は、できれば年少時からゆっくり生活の中で身につけることが理想です。

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