幼児教育について、ほんとに効果があるのということが一時期盛んに言われていました。 特に知育について、過激な「早期教育」「小学受験対策」を否定的に連想して、柔らかな知育の有効性についてはあまり触れられません。
どうしても幼児期の知育については否定的なイメージがついて回りました。 よく、幼稚園の園長さんも学校に入ってから勉強すればいいんですよ。今は、しっかり遊ぶことが大切です。そんな発言をあちこちで聞きました。
ところがこの2~3年、この風潮が変わってきたように感じています。きっかけは幼児教育についての書籍なのではないでしょうか。「幼児教育の経済学」「学力の経済学」は、よく引き合いに出されます。
そのなかで、必ず出てくるのが「エビデンス」。残念ながら日本には比較できるようなデータがないという話です。
でも目的は違うのかもしれませんが参考になるデータがあるのです。 全国学力テストの学校間比較です。調査数は、公立、私立、国立でそれぞれ、約100万人、6000人、7000人。悉皆調査というだけあって、ほぼ全員が受けています。
そのデータを見ると正答率の数値に10ポイント前後の違いがあるのです。 この違いについては、データの発表者が「入学者選抜をおこなっていることに留意」とコメントしています。
あきらかに数値が違っているが、それは入学テストのための学習をしている子と、そうではない子の差ですよ、と言っていると解釈できます。
就学前に何らかの学習をした子は、その効果が継続しているのです。 学力比較の立派なエビデンスではないでしょうか。
コメント